BREITLING   MONTBRILLANT  OLYMPUS

ブライトリング史上、もっとも美しいクロノグラフの一つであり、また最も完成度の高いモデルであるといわれるモンブリラン・オリンパスです。
先代モデルとなるナビタイマー・オリンパスの複雑機能を引き継ぎ、より洗練されたスタイリングで2005年のバーゼル・ワールドでデビューしました。
パイロットウォッチとしての本格的な機能と高精度のクロノグラフという基本スペックに加え、ムーンフェイズ、セミ・パーペチュアルカレンダーを搭載したコンプリケーション・クロノグラフとなると、パテック・フィリップなどの雲上ブランドを除いては、なかなか他に見当たりません。
日本への入荷量が極端に少ないため、なかなか現物を見る機会がないことと、機能面から見ればコストパフォーマンスが高いとは言え、簡単には手が出せない価格から、自分には縁のない時計だと思っていました。
しかし、店頭で偶然見てしまった瞬間、そのあまりの美しさに完全に魅了されてしまい、かなり無理をして購入に踏み切りました。

ケース径が42.1mm、厚みが15.1mmとボリュームがあり、実際に腕に装着した際もかなり重量感を感じます。
シンプルな高級感と重厚な味わいとが絶妙に共鳴しあっているところも魅力のひとつです。
ブライトリングのモデル全般に言えることですが、強靭で耐酸化性にすぐれた特別仕様による高品質のステンレススチールを採用しているため、その光沢は他のブランドに比べて数段勝っており、ケースの完成度は群を抜いています。
ナビタイマー・ラインを象徴する航空計算尺を操作する両方向回転式のベゼルには、’40年代の初代クロノマットにも採用されたパール装飾を復刻し、クラシック感を強調しています。
風防はドーム型のサファイア・クリスタル。反射光を99%カットする無反射コーティングが両面に施してあり、光の当り具合によって淡いブルーの色合いに変化します。

独特の風合いを持つシルバーダイヤルは、モノトーンを基調にしたシンプルな意匠。品格のあるツートンカラーでまとめられています。内周と外周とを分けるブラックベルトにより時刻表示と計算尺表示を明確に分離し、美しさとともに視認性を高めています。
蛍光塗料を配したゴシック調のアラビックインデックスが初代ナビタイマーを髣髴させ、指針によるカレンダー表示とムーンフェイズとの調和により、モダンクラシックの表情を演出しています。
また、同社のモデルとしては珍しくダイヤル上には筆記体のブランドロゴとモデル名が記されているのみで、”AUTOMATIC”も”CRONOMETRE”も”翼と錨のロゴマーク”すら表記されていません。時計全体のディテールが古典的な雰囲気を醸し出しているため、それを損なわないための配慮ではないかと思います。
多機能の時計は、ともするとゴチャゴチャした印象に陥りがちですが、オリンパスの文字盤は9本もの針を持ちながらスッキリとまとめられ、非常に美しい輝きを放っています。まさに”機能美”を体現しているモデルです。




ダイヤル外周に配置される回転計算尺はブライトリングが最もこだわりを持つ機能です。
その起源は、1942年にクロノマットに初めて搭載された対数計算尺「TYPE 42」です。この「TYPE 42」は掛算、割算の計算機能と速度測定の機能のみを搭載しているもので、エンジニア向けの特殊時計でした。
ウィリー・ブライトリングが本当に作りたかったのはパイロット用の計器だったと言われ、実際、プロのパイロット達の意見を取り入れながら、1952年に世界初となる航空計算尺「TYPE 52」を搭載したナビタイマーを開発しました。
ナビタイマーに搭載された回転計算尺「TYPE 52」は、アメリカ海軍のウィームス大佐が考案したパイロット用の航空用計算尺「E-6B」を応用したもので、速度や燃費、上昇・下降距離などの航空計算が即座にでき、キロ(Km)、海里(NAUT)、法定マイル(STAT)の単位換算機能も備えており、まさにフライトコンピュータと言える多機能を実現しました。
この時計の最大の特徴である”セミ・パーペチュアル・カレンダー”は、月末日(31日・30日・28日)に関わらず、月・日・曜日が機械的にプログラムされ、閏(うるう)年を除いて日付の修正調節をする必要がありません。
複雑機能をもったカレンダーには、1年のうち2月のみ日付修正が必要な”年次カレンダー(アニュアル・カレンダー)”と、閏年までも自動的に日付調整をする”永久カレンダー(パーペチュアル・カレンダー)”がありますが、このモデル搭載の機構はちょうどその中間にあたるもので、実は、この分野はブライトリングの独壇場となっています。
他のブランドの永久カレンダーは少なくとも500万円以上、年次カレンダーでも200万円は下らないことからみて、セミ・パーペチュアルカレンダーに、更にムーンフェイズも備えるコンプリケーション・ウォッチでありながら、アンダー100万円を実現したオリンパスのコストパフォーマンスは驚がく的であるとも言えます。
6時位置のサブダイアルが曜日、9時位置が月で、ともに短針で表示されます。同軸に配置されたクロノ時針、分針が長針表示で、12時位置は逆に日付が長針表示となり、スモールセコンドが短針で表示されます。
前身のナビタイマー・オリンパスのカレンダーは英語表記でしたが、モンブリラン・オリンパスはフランス語表記に変更されています。その昔、月齢表示などの複雑時計は高級貴族向からの特注品だったが故に、貴族イコールフランス語になったのでしょうか。。。
3時位置に備えられたムーンフェイズは、ネイビーブルーのディスクにシルバーの月と星が描かれています。落ち着いたカラーリングが品格を感じさせてくれます。
9本もの針を使用した表示形態でありながら、数多くの情報を一瞬のうちに読み取ることができる視認性の高さは流石です。
搭載されるムーブメントはETA2892−A2をベースに、デュボア・デプラ社との共同開発によるセミパーペチュアルクロノグラフ機構モジュールをセットしています。
250個を超えるパーツから構成され、クロノメトリー内でも5名の技術者しか携われないこのムーブメントは、ベースムーブメントとモジュールムーブメントの組み上げ精度も1/100mmで調整をかけていくという高度な調整が必要とされています。
ETA社製ムーブベースやモジュール方式を批判する声を聞きますが、プロの時計士の間ではETA製ムーブメントの評価は逆に高く、実際、多くの独立時計士がベースムーブとして使用しています。ETA2892−A2は開発から30年に渡り製造されているロングセラーで、自動巻きとして完成された信頼性の高い機械だと言われています。
ムーブメントを完全自社生産するマニュファクチュールはそれほど多くなく、ほとんどがエタブリシューによる時計製造を行っているのが実情ですし、そもそも名品と言われるクロノグラフはバルジューやヴィーナス等のエボーシュメーカーの機械を搭載したものがほとんどで、あのパテックでさえバルジューやレマニアをベースとしていました。
それを考えると、自社製ではなくETA製だからダメだという風潮はおかしいと思います。
また、ブライトリングとデュボア・デプラは、’60年代の自動巻きクロノグラフ開発からの永きに渡るパートナーシップを築いており、モジュール機構もクロノマチックから脈々と受け継がれた技術で、コスト面やスペース的にも圧倒的に有利な機構です。クォーツショックを乗り越え、現在の自動巻きクロノグラフを支える存在だと考えています。
できるだけコストを抑えながら高精度の機械を搭載し、ユーザの手の届く範囲で提供するための手段としても、ETA製ムーブとモジュール機構の果たした役割は大きいのではないでしょうか。

スクリューバック式の裏蓋には、モデル名の由来となるモンブリラン通り沿いに創業者レオン・ブライトリングが建設した、創業当時のモンブリラン工房がエングレーブされています。



純正のクロコダイル・ベルトは革に厚みがあり、ステッチもしっかりとした縫製で耐久性に優れています。あまりに重厚なため使いはじめは多少難儀しますが、こなれてくると腕に馴染みます。
ディプロインと呼ばれるホールディングバックルも素材に十分な厚みがあり、ベルト同様ガッシリとした重厚な作りをしています。あれだけのベルトを受け止めるためには、バックルにもオーバースペックが求められるのでしょう。
様々な折込式のバックルが他のブランドでも使用されていますが、腕に装着した際のフィット感はディプロインが抜群です。
通常はベルトの穴にバックルの留め金を固定するのが一般的ですが、ディプロインはベルトの好きな位置でバックルを固定することが可能です。これにより装着感が数段向上されていて、かなり画期的な方式だと思います。


私にとって2本目のブライトリングとなりますが、全体のクォリティーの高さには改めて感心させられました。
「プロフェッショナルのための計器であること。」 をブランド哲学としているブライトリングは、視認性、操作性、耐久性の3つの開発テーマを持っていて、性能や機能に一切の妥協を許さないと宣言していますが、その圧倒的な存在感と機能美を見ると、なるほどと頷いてしまいます。

 

【ブライトリング  モンブリラン オリンパス】

●自動巻き( 38石) ●キャリバー・ブライトリング19搭載 ●パワーリザーブ42時間 ●1/4秒クロノグラフ ●セミパーペチュアルカレンダー ●SSケース ●クロコダイルストラップ ●両面無反射コーティング風防 ●30m防水

 

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