OMEGA   30mm  Calibre

オメガの誇る手巻きの名機「30mmキャリバー」を搭載した、’50年代のスモールセコンドモデルです。
ケースはアンティークらしい18金ピンクゴールドで、防水性は確保されていませんが、どことなく風格が感じられる造りをしています。
どうやらリューズはオリジナルではなく後から交換されたもののようで、ケースとの色合いに若干違和感がありますが、古い時計なので仕方のないところです。
シャンパンゴールドのダイヤルにはアプライトのブランドロゴとバーインデックス、そしてスモールセコンドの十字クロスが配置されているだけで、何の飾りもないシンプル極まりない文字盤ですが、「時刻を知る」という時計本来の目的のみを追求したデザインがかえって私好みです。
カミーユ・フォルネのベージュのリザードストラップを着けてみたら、なかなかハマってイイ雰囲気になりました。

オメガの社名は1894年に懐中時計用として開発された「19ライン・キャリバー」に由来しています。
その驚異的な精度に対して、ギリシャ語で「究極」を意味する“オメガ”の名が与えられ、いつしか精度に対する挑戦を続ける同社の社名となりました。
このキャリバーは、のちに腕時計用に改良が加えられ、数々の精度コンテストを席巻する伝説のキャリバーへと発展します。それがこの時計に搭載されているオメガの誇る手巻きの名機である「30mmキャリバー」です。ムーブメントの直径が30mmのサイズであることからこの名称が付けられました。その卓越した精密性、信頼性、耐久性は、手巻き式機械の揺るぎない「基準」として今に生き続けています。

オメガは、当時の天文台腕時計クロノメーター部門の出品規格が直径30mmに等しいか、あるいはそれ以下と決められていたため、天文台腕時計クロノメータ競争に打ち勝つためにサイズの限界の直径30mmのムーブメントを開発しました。この30mmキャリバーの開発により、当時のオメガ社は精度競争ではダントツで世界一で、ライバルのロンジン、ゼニス社に大きく差を広げていました。

1939年から製造が開始された30mmキャリバーは、1940年のキュー・テディントン天文台(イギリス)のクロノメーターコンクールに初出品され、初挑戦にして過去最高の精度をマークし、1946年には記録をさらに更新、1955年にはスイスのジュネーブとヌーシャテルで開催されたコンクールで2冠に輝きました。1967年にクロノメーターコンクールが中止されるまで脚光を浴び続けたこのムーブメントは、クロノメーターコンクールに勝ち続けた名キャリバーとして現在でも人気が高く、1999年にはオメガ生誕150周年モデル「ルネッサンス1894」としてデッドストックのCal.269を搭載した限定復刻版も販売されました。
そんな30mmキャリバーも、自動巻きの普及により、1963年製造のCal.269を最後としてその歴史にピリオドを打っています。

30mmキャリバーにはスモールセコンド仕様の260系とセンターセコンド仕様の280系があり、何度もマイナーチェンジを繰り返しながら、20年以上の長きにわたり、ミリタリー系〜ドレス系まで、実に様々なモデルに搭載されました。この時計の機械は比較的後期型であり、ブレゲヒゲ採用のスモセコモデルの最高峰と評価されるCal.268です。
オメガ得意のコパーメッキが施されたムーブメントは、30mmという充分なスペースに、大きく肉厚なパーツが用いられているので、パーツの変形・痩せがなく時計の精度が出しやすいと言われています。時計技術者の方の中には30mmキャリバーの分解修理を楽しみにしているファンが多いと聞きました。


リューズの巻上げ感は非常にスムーズで、耳を近づけると比較的大きなロービートのサウンドが心地よい音を奏でてくれます。
この時代のオメガの尾錠は、個性的なデザインながらも優雅さがありますね。

 

【オメガ  30mmキャリバー】

●手巻き( 17石) ●Cal.268搭載 ●5振動 ●18KPGケース ●リザードストラップ

 

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